Cp.14 - Spatial and temporal integration

 ■ Fig 14.2 樹状突起構造とシナプス位置がEPSP加算にあたえる影響

    • NEURONを用いたシミュレーション.20 msの間隔で2発のシナプス入力を行う.単一のシナプス入力では6 mVのシナプス電位が得られるようにする.
      • A: 樹状突起を持たない,細胞体のみの細胞を考える.2発の入力は細胞体へ.2発目の入力によって得られたシナプス電位は1発目のそれと比べると1.37倍だった.
      • B: Aの場合に基底・尖頭樹状突起を加える.入力位置はAと同じ.シナプス電位のdecayがAより早くなり,2発目のピークも1.27倍と減少した.
      • C: Bの場合からシナプス入力位置を尖頭樹状突起中央に移す.Bとは逆にdecayがゆっくりになり,2発目のピークは1.40倍になった.
      • D: 最も大きな加算性を示したパターン.シナプス入力をひとつは基底樹状突起側へ,ひとつは尖頭樹状突起先端部へ入力した.2発目のピークは1.55倍だった.
  • これらのシミュレーションは受動的ニューロンにおけるシナプス加算において,以下の3つの重要な点を示す.
    1. 樹状突起の存在は近いシナプスのEPSP decayを増大させる.
    2. 樹状突起EPSPのケーブルフィルタリングはsomaで計測されるEPSPの時間経過をゆっくりにし,そしてsomaでの時間加算性を増大させる.
    3. sublinear加算はシナプスが電気的にお互い近い位置に存在することによると予想されるが,入力が電気的に分断されていると最小となる.