Cp.14 - Action potential backpropagation
- 軸索での活動電位発生に伴い,活動電位は樹状突起にも逆伝搬する(Backpropagating action potential).これは皮質および海馬錐体細胞,海馬介在細胞,黒質ドーパミン/GABA作動性ニューロン,嗅球僧帽細胞などで観察される.
- これらの細胞での逆伝搬活動電位の大きさは細胞体から離れるに従い減衰するが,活動電位の受動伝搬によるものではないと予測されている.活動電位の逆伝搬は電位依存性Na+チャネルによるものだと考えられており,逆伝搬活動電位の減衰は,非減衰伝導を生み出しているNa+チャネル密度が非常に低いことによる可能性がある.
- Na+チャネル密度分布は細胞種によって異なっている.逆伝搬活動電位はシナプス入力,神経修飾状態,または長期活動依存的可塑性によって調節を受ける可能性が示唆されている(Hoffman & Johnston 1999; Stuart & Häusser 2001; Frick et al. 2004).